2008 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期における日本型食生活の食育が授乳期の母親の心身の健康に与える効果
Project/Area Number |
19650218
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
坂本 成子 Foundation for Advancement of International Science, バイオ研究所, 研究員 (60419869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和雄 財団法人国際科学振興財団, バイオ研究所, 研究員 (70110517)
林 隆志 財団法人国際科学振興財団, バイオ研究所, 研究員 (80399328)
林 啓子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50156436)
村井 文江 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40229943)
木元 幸一 東京家政大学, 家政学部, 教授 (60133378)
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Keywords | 食育 / 妊娠期 / ストレス / 心理 / 生化学 / 免疫 / 食品 / 生理 |
Research Abstract |
【目的】我々はこれまでに授乳婦を対象とした白米、発芽玄米の介入実験を行い、発芽玄米食が授乳婦の心を穏やかにし母乳中の免疫成分を高めることを報告した(Eur.J.Nutri.46(7):391-396,2007)。今回、日本型食生活を勧める食育が妊産婦の心身の健康に良い影響を及ぼすこと、並びにその効果を検証することを目的として研究を行った。【方法】同意の得られた妊娠20〜27週の健康な女性20名に食育を行い(食育群)、同条件で食育を受けない20名(対照群)に妊娠期2回出産後1回の計3回以下のデータをとった。(母乳関連データは出産後の1回のみ)「プロフィール」[行動指標]FFQg,4日間の食事記録、和食アンケート[心理指標]POMS(感情プロフィール検査)、SUBI(心の健康度)、VAS(Visual analogue scale)、PAI・MAI(母子愛着度)[生理学指標]身長、体重(BMI)[生化学指標]母乳:LTF(ラクトフェリン)、ポリアミン、s-IgA唾液:アミラーゼ活性、酸化還元電位〔食育教室プログラム〕『赤ちゃんとママの心とからだにおいしいごはん』というテーマで講義と調理実習を組み合わせた食育教室を、2週間間隔で妊娠期6回、出産後月齢1〜4か月の間に1回の計7回実施した。【結果】食育群と対照群に顕著な差は見られなかったが、食育群は対照群に比べ和食の回数が増える傾向にあり、また、産後の体重の戻りが早かった。被験者の産後データから、SUBI疲労度が緑黄色野菜と正の相関がみられた。POMSの怒り敵意は麺類、嗜好飲料と正の相関があった。また砂糖摂取はミネラルと負の相関がみられた。【考察】以上の結果より、女性のライフステージにおいて重要な妊娠期に食育を行うことは、女性自身や家族の健康に良い影響を及ぼすと考えられるが、この時期は心身のバランスが変動しやすいので、食以外の要因による影響を考慮し、その効果を判定する時期や方法について特別な工夫が必要であることが示唆された。
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