2007 Fiscal Year Annual Research Report
メンデルの遺伝法則を分子レベルで体験する実習教材の開発
Project/Area Number |
19650221
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 道之 University of Tsukuba, 大学院・ 生命環境科学研究科, 准教授 (50201405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 道之 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50201405)
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Keywords | 教材開発 / 科学リテラシー / 遺伝子リテラシー / メンデル / エンドウ / PCR / 遺伝子 / 遺伝学 |
Research Abstract |
メンデルが遺伝法則の発見に用いたエンドウ(Pisum sativum)の7つの形質の中から、遺伝子レベルまで解析が終わっている形質について、野生型遺伝子と突然変異型遺伝子の分子レベルの違いを、高等学校の理科実験室のレベルで視覚化できる方法の確立を目標とする。平成19年度は、豆の「まる」と「しわ」を司るRとr遺伝子座について、分析の方法を中心に検討した。R(RUGOSUS)は澱粉分枝酵素(Starch Branching Enzyme II)をコードしており、劣性遺伝子座rでは0.8kbのトランスポゾンの断片が挿入されているため遺伝子が分断されて機能しない。この遺伝子構造の違いについて、DNAを抽出し、特異的primerを用いてPCR増幅を行い、0.8kbのDNAの長さの違いをアガロース電気泳動法により視覚化する方法の検討を行った。DNAの抽出、PCR増幅、アガロース電気泳動、DNAバンドの視覚化について、高等学校の理科実験室で行うことができるように、実験手法の選択と条件検討などの改良を行った。その結果、RRとrrの各ホモ個体においては、明瞭に区別できる方法を確立した。これは実際に高等学校の生徒に対して出前授業を実施し、確認した。しかし、Rrのヘテロ個体においては、RRとrrの単純な足し算の結果とはならず、異なるバンドパターンが得られた。これは、RRとrrのDNAをPCR前に混合しても同じ結果になることから、PCR増幅の際に生じる干渉作用のようなものが生じるためと考えられた。この現象の解決のためにさまざまな条件検討と文献調査を行ったが、現在のところ克服できていない。出前授業では非常に好評であったことから非常に残念な状況である。平成20年度には、RRの結果とrrの結果の足し算のパターンがRrの結果となるように、種々の方法を試みる計画である。
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