2007 Fiscal Year Annual Research Report
算数数学教育における擬変数に着眼した「数字の式」と「文字の式」の教授課題開発
Project/Area Number |
19650222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
藤井 斉亮 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (60199289)
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Keywords | 算数教育 / 数学教育 / 教授課題開発 / 文字式 / 擬変数 |
Research Abstract |
学校数学において、「文字の式」は一般性を表現できるが、「数字の式」ではそれができない、という思い込みがある。だが、数学史をみると、文字表記が充実する前では、一般性を含意して論を展開する際は「数字の式」を用いていた。本研究では、このような「数字の式」における数を擬変数と命名した。 本研究の目的は、数学史における擬変数の機能に焦点をあてて規範的に教材を開発し、かつ授業実践を通して「数字の式」の学習指導における擬変数の価値を実証的に示すことである。 19年度は、基礎研究を展開した。具体的には、まず、 1)数学史を考究し、擬変数のルーツや機能を考究した。 〔中村幸四郎『数学史』で示唆されているデオファントスの『数論』などを分析した。また、本研究と正反対の着想で小学校から文字を導入している米国ハワイ大学のMUプロジェクトの実験教科書シリーズを検討入し、分析した。 2)次の3文脈における教授課題の開発を始めたが、19年度は[1]を中心とした。 [1]数のパターンの発見とその一般的説明の文脈 [2]事象を数値表現し、そこでの関数の性質を表から読み取り式化する文脈 [3]図形を対象にした問題解決において、「数字の式」を活用する文脈 3)開発した教材を授業において実践できるように検討した。 4)[1]数のパターンの発見とその一般的説明に関して教授実験を行った。 5)教授実験は、質的研究の手法で評価分析した。 具体的には「あきら君の方法」に焦点をあて、小学校3年生から中学校2年生までを対象に教授実験を行い、数字の式を用いて一般性を表現する可能性を見出した。
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