2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい溶融加工教材「金属粘土」とその強度評価を組み合わせた理工融合教育素材の創成
Project/Area Number |
19650229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田島 俊造 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (40136130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90284158)
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Keywords | 溶融加工 / 金属加工 / 教材 / 金属粘土 / 圧縮強度 / 銅粉末 / スズ粉末 / 焼結 |
Research Abstract |
本研究は,新しい溶融加工教材としての金属粘土とその強度評価を組み合わせた理工融合教育素材を創成しようとするもので,平成19年度に金属粘土の基礎研究を行い,その評価と簡易式強度測定方法の確立を次年度以降に行うことを目的としている。 本年度は金属粘土の調製を銅粉末および銅とスズの混合粉末に界面活性剤および分散剤として,ヘプタンとステアリン酸,イソプロピルアルコールとポリカルボン酸アンモニウム塩,水とポリカルボン酸アンモニウム塩の組合せて行った。これらの組合せ手法により,共に粘土としての基本性質である可塑性と保形性を多少とも併せ持たせることができた。 さらに成形体を製作して乾燥・脱脂工程を経て焼結を行い,その焼結性を密度や強度および研磨時の金属光沢などにより評価した。その結果, 1.成形時に生じる亀裂を防ぐには,分散剤としてヘプタンに溶かしたステアリン酸を用いるのが有効である。 2.高い密度・強度の焼結体を得るには,より高い密度の成形体(粒子充てん率50%以上)が要求される。 3.773〜873K-1hの焼結で40〜80MPaの圧縮強度を有する焼結体が得られる。 4.焼結体には表面酸化が見られ,これを解決するには(現状では)還元性雰囲気の焼結が必須である,などが明らかになった。ただし,アルミ箔などで大気と隔離すれば大気炉焼結の条件で表面は酸化するが軽くサンドペーパーで研磨すれば金属光沢を得ることができることが明らかになっている。今後は保形性の高い粘土が得られる方法を確立し,融点の60%程度の低い焼結温度(銅粉末で約800K)で表面が金属光沢の焼結体を得る方法ならびに強度測定法の確立を行う。
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