2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
河野 孝央 National Institute for Fusion Science, 安全管理センター, 准教授 (20300733)
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Keywords | 放射線教育 / 放射線源 / 塩化カリウム / 湯の華 / 化学肥料 / 乾燥昆布 / 圧縮成型 |
Research Abstract |
本研究では、誰にでも容易に手に入れることの出来る、できるだけ一般的な材料を用いて、中学校、高等学校そして一般対象の放射線体験学習や放射線安全教育に使用できる、丈夫で使いやすい放射線源(自然放射能線源という)の開発を目指している。このような目的にかなう材料としてすでに塩化カリウム試薬と湯の華を取り上げ、線源製作の可能性を検討しており、19年度はそれまでに得られていたデータを整理して発表することから研究をはじめた。なおこれらの発表を行うために、そして今後の放射線体験学習や放射線教育での利用方法を検討するため、国内学会や国際会議に参加するとともに、現状調査を行った。なお国内発表では予想以上の反響があり、注目すべき研究であるとしてその後原稿作成の依頼を受け、論文化して投稿した。19年度は、こうした研究成果の発表や調査のほか、新たな材料による自然放射能線源の開発を目指して、化学肥料と乾燥昆布、椎茸などに目をつけ、実験検討を行った。その結果、製作がとくに困難であった乾燥昆布を含めて、比較的強固で安全な線源の開発に成功した。これは微粉化法を工夫したことによる。ただし椎茸を用いて製作した線源については、期待通りの結果を得ることはできなかった。しかしながら製作に成功した化学肥料と乾燥昆布による放射線源については、自己吸収試験や放射線強度の距離および遮蔽体依存性試験を行って、体験学習や安全教育の教材として有用であるかどうかを調べ、良好な結果を得ることができた。これらの結果については、平成20年度に計画されている国内学会と国際会議にそれぞれ2件の演題申請を行い、一部の演題についてはすでに受理の連絡を受けている。このほか19年度は、20年度の研究準備として、簡易線源圧縮法に関する調査を行い、空き缶用圧縮装置や車の油圧ジャッキなどでその可能性を検討した。
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Research Products
(2 results)