2008 Fiscal Year Annual Research Report
携帯端末を用いた英語学習用コンテンツのための位置情報英語コーパスの作成
Project/Area Number |
19650246
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松居 辰則 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (20247232)
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Keywords | 教育システム / 言語コーパス / 位置情報 / 知識ベース / 人工知能 / 携帯端末 / 認知科学 / e-learning |
Research Abstract |
本研究の目的は,携帯電話の英語学習への積極的な利用を目的とした,位置情報を利用した英語文,英語問題の自動生成のための位置情報英語コーパスを作成することである.本年度(最終年度)は位置コーパスから英語問題の生成方式を検討し実装することを目的に研究を推進した.英語問題としては空欄補充問題に限定し,位置情報と学習履歴(利用履歴,過去の位置情報,回答履歴(正誤情報も含む))を利用することとした.(1)位置情報を伴う英語文を,中学・高校の英語学習指導要領に基づき,学習内容・レベル(難易度)による分類を行った.(2)(1)の分類に基づき,空欄補充問題として成立可能な問題パターンを抽出した.(3)(2)で得られた英語問題の内容・レベルから問題群の構造を記述した(教材構造A).(4)(2)で得られた英語問題を位置コーパスに基づき問題群の構造を記述した(教材構造B).(5)学習履歴情報と教材構造Aおよび教材構造Bとの対応関係を定式化し,適応的な出題戦略に関する知識ベースを構築した.以上の成果を実装し,システムとしての妥当性と実効性に関する評価を実施し,限定された領域ではあるが妥当性を確認することができた.さらに,位置情報のみならず移動情報をも用いた英語文,英語問題の自動生成も試みた.移動情報の扱いは,移動の形式レベルと意味レベルの扱いに大別される.形式レベルでは「A地点からB地点へ何時何分に徒歩で移動した」のように,移動の事実のみを扱い,移動の意味や意図には言及しない.これに対して意味レベルでは,移動の意味や意図「C駅に行った目的は」などを扱うことになる.よって,形式レベルでの扱いを実現するためには,位置情報の扱いの延長上の技術で実現可能であるが,意味レベルでの扱いを実現するためには行動に関する高度な知識ベースの構築が必要となる.本研究の成果は,形式レベルでの実装に止まっており,意味レベルでの扱いは今後の課題としたい.
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