2007 Fiscal Year Annual Research Report
GISを利用した指標火山灰層のデータベース構築とハザードマップ支援への活用
Project/Area Number |
19650259
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Research Institution | Geographical Survey Institute, Geography and Crustal Dynamics Research Center |
Principal Investigator |
小荒井 衛 Geographical Survey Institute, Geography and Crustal Dynamics Research Center, 地理情報解析研究室, 室長 (50419876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 毅彦 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (60240941)
中山 大地 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (90336511)
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Keywords | 火山灰 / GIS / データベース / ハザードマツプ / 化学分析 |
Research Abstract |
テフラのデータベース化に関して、テフラ層のどのような属性を採用すべきかを検討した。各テフラ層の分布に関する属性については、産出地点のデータ群とそれから推定される分布範囲について、GISでどのように扱うのが最適であるかを検討した。テフラ層の年代や給源火山、含有する鉱物の組合せ、斑晶鉱物の屈折率や化学組成、火山ガラスの屈折率や化学組成などの記載岩石学的特性や、噴火様式については、これらのうち何を対象として、どのようにデータベース化していくかを検討した。その結果、東北地方北部に分布する後期更新世テフラについて、紙べースの既存文献で公開されている年代、分布、記載岩石学的特性を電子媒体で取り扱いが可能となるように、データベース化した。この作業は主に、首都大学東京で行った。 今後入力する予定のデータを補充する目的でテフラ層の採取・分析を行うため、屈折率測定装置、実体顕微鏡及び付属装置等を購入した。秋田駒ヶ岳において火山地形調査を行い、概略の火山地形分類図を作成すると共に、秋田駒ヶ岳から烏帽子岳(乳頭山)にかけての稜線部に堆積しているテフラの採集を行い、テフラハザードを検討するための基礎資料を得た。なお、既存の火口ハザードマップのデジタル化については、磐梯山、安達太良山、秋田駒ヶ岳について行っている。房総半島は前期更新世から中期更新世にかけての層序の模式地であり、代表的なテフラについて採取を行うことができた。また、南東北〜北関東で採取したテフラと常総台地の下総層群に挟在する3つの指標テフラおよび常磐沖海底コア中のテフラについて、主成分化学分析を行った。その結果、TG(田頭テフラ)は常磐沖海底コアPC2T7(菅沼ほか、2006)に対比されること、下総層群の下位2枚のテフラは当時火山活動が盛んであった日光起源である可能性が高いことなどがわかった。
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