2008 Fiscal Year Annual Research Report
森林ネクロマスの動態‐メソ時間スケール現象の研究手法の開発‐
Project/Area Number |
19651001
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大塚 俊之 Gifu University, 流域圏科学研究センター, 教授 (90272351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 充 筑波大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90391151)
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Keywords | ネクロマス / 粗大木質リター / 炭素滞留時間 / 放射性炭素同位体 |
Research Abstract |
本年度は冷温帯のアカマツ林と混交林において木質リターの現存量・加入量・放出量を定量化し、それぞれの森林の特徴と、その違いが起きる原因について検討した。各林分での木質リターのプール量はアカマツ林では4.2 tC ha^<-1>で、混交林では1.8 tC ha^<-1>で半分以下であった。特にアカマツ林では立ち枯れ(1.5 tC ha^<-1>)や倒木(2.4 tC ha^<-1>)の存在が顕著であった。先駆林であるアカマツ林では自己間引きによる枯死が起こっており、木質リタープールへの加入量は混交林の3倍以上であった。また分解による大気へのCO2の放出量を、木質リターの温度(気温から推定)と水分量(土壌水分量から推定)の関数として表せることが実験的に明らかになった。この関数を利用することによって、木質リターからの年間の放出量を比較したところ、アカマツ材の方が広葉樹材よりも分解が早いことから大気へのCO2放出量はアカマツ林(0.23 tC ha^<-1> y-1)では混交林(0.07)の3倍以上となった。 また、木質リターの分解による大気中へのCO2の放出量だけでなく、土壌有機物プールに移動する炭素量の定量化を目指した実験を開始した。この実験では、調査区周辺から木質リターサンプルを選び、月に一度程度密閉法を用いて分解によるCO2放出量を調査すると共に、実験前後での乾燥重量の変化を推定して、土壌への放出量を推定するものである。予備的な調査では、最大で木質リター重量の7%程度が分解によるCO2以外として放出されている可能性が示唆された。木質リターの土壌有機物への影響について今後検討を行っていく。
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[Journal Article] Soil organic carbon pools in alpine to nival zones along an altitudinal gradient (4400-5300m) on the Tibetan Plateau.2008
Author(s)
Ohtsuka, T., Hirota, M., Zhang, X., Shimono, A., Senga, Y., Du, M., Yonemura, S., Kawashima, S., Tang, Y.
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Journal Title
Polar Science 2
Pages: 277-285
Peer Reviewed
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