2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化還元反応場を有する層状複水酸化物による排水中重金属オキソアニオンの新処理技術
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19651027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀田 知人 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60333895)
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Keywords | 層状複水酸化物 / 合成 / 2価の鉄イオン / 酸化還元 / 共沈法 / ホスト層 |
Research Abstract |
本研究の目的は、排水中に数種の異なる酸化状態が存在するため、その処理が困難であるアンチモン(Sb)等の重金属オキソアニオンについて、その原子価をコントロールし、且つ濃縮できる新処理技術を開発するための基礎研究を行うことである。この技術は、萌芽的発想に基づいて、酸化還元反応場を有する層状複水酸化物(LDH)を開発することで実現することを志向している。本年度は、ホスト層に還元能力を有する金属Fe^<2+>を導入したLDHの合成を行った。 N_2ガス流通下、イオン交換水125 mlを30℃、300 rpmで攪拌し、そこにFe^<2+>/A1^<3+>モル比4.0の0.4MFeCl_2-0.1MAlC1_3溶液を10 m1/minで滴下し、さらに1 h攪拌した。攪拌中、溶液のpHが7.0〜10.5で一定になるように、0.5MNaOH溶液を適宜滴下した。攪拌後、得られた懸濁粒子は、ろ別、水洗し、40 h減圧乾燥して沈殿物を得た。 各pHで合成した沈殿物はLDH構造を有することがわかった。各々の沈殿物には、Fe^<2+>、A1^<3+>の他に、Fe^<3+>が含まれていることがわかった。沈殿物のFe^<2+>/Feモル比は、溶液のpHが低いほど高く、Fe^<2+>がFe^<3+>に酸化されにくいことがわかった。LDHは、2.0≦M^<2+>/M^<3+>モル比≦4.0で形成されるが、沈殿物のM^<2+>/M^<3+>モル比、すなわちFe^<2+>/(Fe^<3+>+A1^<3+>)モル比は、全て1以下の値を示した。このことは、M^<3+>がLDHの構成成分として沈殿することに加え、単独の水酸化物として沈殿したことを示唆する。共沈法により各pHでFe-Al LDHが生成することがわかったが、同時に、Fe^<2+>のFe^<3+>への酸化に伴う非晶質の水酸化第二鉄の生成、さらには非晶質のAl^<3+>の水酸化物が生成する事がわかった。
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Research Products
(1 results)