2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651028
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 義輝 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (00323254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70221976)
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Keywords | 微生物 / 分解 / 代謝 / 酵素 |
Research Abstract |
本研究では、N3化合物を分解する酵素を分子レベルで解析し、得られる情報を基に、これらの物質を効率よく無害化あるいは有用物質に安全に変換する微生物を新規に育種することを目的とした。 茨城県内の土壌サンプルなどを用いて自然界からスクリーニングを行い、極く最近、N3化合物分解菌の単離に成功している。定常期と対数増殖期におけるN3化合物分解活性を比較した結果、本菌は定常期において高い分解活性を示した。本菌の菌学的諸性質、さらに、資化性試験・生理学試験を行った。その結果、運動性を持つグラム陰性の桿菌であると推定された。 N3化合物分解菌を培養し、N3化合物を基質として休止菌体反応を行い、得られる反応産物を高速液体クロマトグラフィーを用いたカラム操作で分離した。その結果、N3化合物の分解に伴い出現する新しいピークを確認することが出来た。分解産物の候補と考えられる種々の化合物を同条件で高速液体クロマトグラフィーに供し、その保持時間から分解産物を検索した結果、N1化合物であるアミンと判明した。これにより、基質(N3化合物)の分解量ではなく産物の増加量を指標とする新しい酵素活性測定法を構築した。 本菌株のN3化合物分解活性の上昇、および菌体量の増加を目的とし、培地の炭素源、窒素源の検討を行った。多くの代替炭素源でN3化合物分解活性は減少する傾向があったが菌体量の増加が確認できた炭素源もあった。その中で高いN3化合物分解活性を維持したまま菌体量を増加させることが出来る炭素源を最適炭素源と決めた。N3化合物分解活性と菌体量の両方が向上する代替窒素源は見つからなかったが、N3化合物分解活性の上昇が確認できた窒素源を最適窒素源と決め、以降の実験に使用した。さらに、培地条件を検討する過程でN3化合物分解活性を示す酵素は誘導酵素と示唆される結果が得られたことから誘導剤の検討を行い、N3化合物分解活性が最大となる最適培養条件を決定した。
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