2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
BELOSLUDOV R.V. Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (10396517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
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Keywords | 有機金属系構造体 / マイクロポーラス材料 / 吸着 / キラリティー / 第一原理計算 / 水素・水素相互作用 / MOF / 抱接分子 |
Research Abstract |
MOF構造を用いた薬剤分離:有機金属系構造体(MOF)Zn_2(bdc)(l-lac)(dmf)を用いてS-とR-異性体のPhenylMethylSulphoxide(Ph-SO-Me)の吸着を調べた。第一原理計算はS-とR-異性体の吸着エネルギーの違いを見出した。S-異性体では吸着エネルギーは負の値(-1.568kcal/mol)であり、安定であることが分かった。一方、R-異性体では正の値(+6.835kcal/mol)であり、不安定であることからこのMOFには入らないことがわかった。電荷密度分布の詳細解析から、2つの異性体でのホスト-ゲスト間の相互作用と吸着サイトの違いが明らかになった。さらに、より長いリガンドの系(bdcの代わりにbpdcを用いた)で計算を行い、Ph-SO-Meよりも大きな体積を持つ薬剤における吸着能を調べた。計算結果は立体選択的分離用材料としてMOFを使うことができ、薬剤分離に活用できることを示していた。 水素貯蔵材料中のゲスト-ゲストとゲスト-ホスト間の相互作用の正確な記述:水素貯蔵材料のゲスト-ゲストとゲスト-ホスト間の相互作用記述に必要なvan der Waalsの長距離力を、密度汎関数理論は再現出来ないことが知られている。そのため、より正確な計算方法が重要になる。本研究では水素クラスレートの構造最適化をMP2/6-31+G(d)レベルで行った。この計算にはCS-II構造のフラグメントを再現するために大きなクラスターを用いた。その結果、大きなケージには最大4個の水素分子が入るが、小さなケージには2個も入らないことが明らかになった。さらにヘルプガスの効果を電荷密度分布の解析から検討した。
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