2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ベロスルドフ ロディオン Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (10396517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
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Keywords | 有機金属構造体 / マイクロポーラス材料 / 収着 / 対掌性 / 第一原理計算 / 水素クラスレートハイドレート / THF / プロパン |
Research Abstract |
本年度は第一原理計算によりクラスレートハイドレートおよび有機金属構造体に関して研究を行った。以下に主要な結果について説明する。 1)水素貯蔵材料中のゲスト-ゲスト間およびゲスト-ホスト間の相互作用の正確な記述 ゲスト分子のホストへの影響とゲスト-ゲスト間相互作用を取り入れ、2種類のゲージと2種類のゲスト分子を扱うことのできるモデルを提案した。このモデルにより水素と水素-プロパンのハイドレートCS-II構造の相図を作成した。(JCP131(2009)244510)得られた結果は実験結果と良く一致していることを確認した。160-180bar、160K条件下のCS-II構造での水素貯蔵量は3.8wt%に達している。この系では昇温すると水素貯蔵量が減少することが欠点である。しかし、プロパンを少量入れたハイドレートでは貯蔵した水素分子を留められる可能性が示された。これらの結果はゲスト-ゲストの相互作用の理解こそが本質であり、水素ハイドレートの相図を求める計算には正確に算出する必要があることを示している。 2)特定の有機構造体(MOF)を用いた薬剤分離 鏡像異性的に完全にホモキラリなビルディングブロックを特定のMOFに入れた分子系のシミュレーションを行った。実験からの解析とともに、キラル合成、キラル触媒と同様に鏡像異性体の分離の可能性を探った。メチルフェニルスルホキシドPhSOCH3のS-とR-光学異性体をキラル性を持つMOFであるZn(bdc)(lac)(dnf)に入れた。吸着エネルギーの計算結果は、実験的に報告されているZn(II)テレフタル酸エステル乳酸塩を用いた対掌性の小さいスルホキシドのS-光学異性体の吸着エナンチオ選択性を支持するものであった。本研究で提案した計算方法により、ホストーゲスト間の相互作用がMOF構造の立体選択的な選択性の起源であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)