2008 Fiscal Year Annual Research Report
MBE-VLS法によるシリコン基板上GaAs系ナノワイヤ構造の作製と評価
Project/Area Number |
19651051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 雅史 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20273261)
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Keywords | MBE / VLS / (111)Si / GaAs / ナノワイヤ / InAs / 架橋 / 無触媒 |
Research Abstract |
今年度は、MBE法とVLS法を組み合わせた方法によりSi基板上へ無触媒によりGaAsナノワイヤの作製を試みた。自然酸化膜を有する(111)Si基板へのMBE法によりGaAsを成長させると,Ga液滴がナノサイズで形成され,そのGa液滴が触媒のように作用しGaAsナノワイヤがVLS成長することがわかった。また,加熱したままAsを照射した状態で成長中断を行うとGa液滴がGaAs結晶化し,GaAsナノワイヤ頂上のGa液滴が消失することが実験によりわかった。 この無触媒による成長メカニズムを用いることで,GaAs/AlGaAsコアシェルナノワイヤ構造,あるいはシェル構造であるAlGaAsの真ん中にGaAs量子井戸層を設けることに成功した。この成長した試料については,低温でのカソードルミネッセンス法により,量子井戸における量子化した準位に関する発光を観測することができた。 またデバイス応用を目指し,(001)Si基板にストライプの溝(トレンチ壁)を形成し,電子線露光装置およびMBE-VLS法を用いて,Siトレンチ壁面からGaAsナノワイヤを対壁に位置を制御して架橋することにも成功した。 一方デバイス応用の際に問題となる空乏化を防ぐ目的で,バンドギャップの小さいInAsナノワイヤをSi基板上へ無触媒MBE-VLS法により成長することも試みた。成長条件によっては,余分な多結晶を抑制しつつInAsナノワイヤを無触媒により成長することにも成功した。
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