2009 Fiscal Year Annual Research Report
MBE-VLS法によるシリコン基板上GaAs系ナノワイヤ構造の作製と評価
Project/Area Number |
19651051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 雅史 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20273261)
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Keywords | MBE / VLS / (111)Si / ウィスパリング・ギャラリー・モード / ナノワイヤ / AlGaAs / マイクロワイヤ / 無触媒 |
Research Abstract |
今年度は,MBE-VLS法をによるSi基板上へ無触媒によりGaAs系ナノワイヤの成長メカニズムを利用したGaAs/AlGaAsコアシェル構造を作製し,光デバイス応用のための光学的特性評価を行った。(111)Si基板上に580℃で10分間GaAsナノワイヤを成長した後,5分間の成長中断,そして600℃で180分間AlGaAsシェル構造の成長を行った。これにより,直径約1.8μm,長さ約5μmのマイクロワイヤを得ることが出来た。 このAlGaAsマイクロワイヤにおけるフォトルミネッセンス(PL)測定を行った結果,PLスペクトルにおいて3つの肩がある2つのピークが確認された。これらのピークはAlGaAs基礎吸収端のエネルギーよりも低く,AlGaAsピークの半値幅よりも狭いピークが得られていることから,干渉による発光であると考えられる。このことをより詳細に調べるために,PLの偏光特性を測定した。その結果,TM偏光された5つのピークが観測され,ウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM)による干渉であることが分かった。そこで,WGMを考慮して各ピークの同定を行ったところ,六角形に共振する2つのWGMと,三角形に共振する3つの準WGM(q-WGM)であることがわかった。 また,別の同様の試料において励起強度に対するPL特性を調べたところ,励起強度が53.5kW/cm^2においてWGMによる発振と考えられる鋭い発光を示し,Q値が703と比較的高い値であることがわかった。このことから,ナノワイヤを用いた光デバイスへの応用が期待できる。
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