2007 Fiscal Year Annual Research Report
セラソームを用いる自己集積型マイクロ化学チップの作製
Project/Area Number |
19651053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 純一 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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Keywords | セラソーム / 自己集積 / マイクロ化学チップ / 有機-無機複合体 / 脂質 / ベシクル / ドメイン形成 / 交互吸着法 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが開発した新規の有機-無機複合ベシクル「セラソーム」の特徴を活かして、これまでに無い自己集積型のマイクロ化学チップの作製を目指した。本年度の成果を以下にまとめる。 1.ドメイン構造をもつセラソームの形成 セラソーム形成脂質とペプチド脂質を合成し、それらやリン脂質を混合して種々のセラソームを形成した。セラソームが二分子膜ベシクル構造を有することは、透過型ならびに走査型電子顕微鏡観察から確認した。また、セラソームのサイズは、数十nmから数μmの範囲で制御可能であることが動的光散乱法の測定から明らかになった。セラソーム表面の荷電状態は、ゼータ電位の測定から評価した。示差走査熱量分析や蛍光プローブを用いた蛍光顕微鏡観察の結果、セラソーム形成脂質と他の脂質の混合ベシクルは、ドメイン形成能に優れていることを見出した。 2.セラソームの基板上への集積 セラソームの基板への自己集積には交互吸着法を用いた。すなわち、固体基板上に高分子電解質を交互吸着法で修飾してカチオン性表面を作製し、これにゼータ電位が負の値を示すセラソームを交互吸着法で固定化した。吸着過程は、水晶発振子を用いるマイクロバランスで定量的に評価し、セラソームの集積構造が形成できることを蛍光顕微鏡観察から明らかにした。また、ジャイアントセラソームの基板への固定化においては、アビジン・ビオチン間の相互作用やオリゴヌクレオチド間の相補的相互作用を用いることが有効であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)