2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651056
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
高田 啓二 Kansai University, システム理工学部, 教授 (50416939)
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Keywords | ひずみイメージング / 原子間力顕微鏡 / 磁場誘起ひずみ / 磁性微粒子 / ストレージ |
Research Abstract |
磁場で誘起される磁性試料表面の極微小ひずみ検出感度は、光てこ・走査機構部の新規導入により、一般市販装置のレベルにまでは向上した。また、磁場を印加するためのコイルの設計と試作も順調に進展し、磁性膜などの一般磁性試料にも磁場を印加できるようになっている。 これまでに得られた観察結果の中から、窒化鉄磁性微粒子の例について述べる。磁性微粒子が高分子マトリックスの中に分散された溶液試料を、ガラス基板の上に展開乾燥したものを観察した。原子間力顕微鏡(AFM)表面形状像では、高分子マトリックスが形成する表面形状が観察されるのみである。一方、同時に得られた磁場誘起ひずみイメージでは、マトリックス中に分散された10nm程度の大きさの磁性微粒子の分布が捉えられた。磁場誘起ひずみイメージとは、試料に交播磁場を印加して、AFMカンチレバー振動のうち、その変調周波数成分をロックイン検出で得た信号を画像化したものである。 本研究期間における最終目標は、これらの磁性微粒子がどのような磁気的結合を形成しているか、すなわち磁気的結合によりクラスター化しているか、クラスター化しているのならばどの程度のサイズでどのような分布をしているかを確認することにある。本計測法においては、外部磁場の印加により磁性微粒子の磁化およびクラスター化が、どのように変化するかも捉える事が出来るはずである。これらの結果から得られる知見は、例えば将来の大容量ストレージ材料開発に直結する成果となり、またスピントロニクス分野へも貢献できるものである。 (本成果は日立マクセルとの共同研究により行われており、論文として広く一般に公開するためには、日立マクセルの同意を必要とする)
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