2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子のプラズモン共鳴によるナノヒーター効果を用いた銅微細配線レーザー描画
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19651060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (40182901)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / プラズモン / ナノヒーター効果 / レーザー直接描画 / 銅微細配線 / 抵抗率 / 顕微ラマン |
Research Abstract |
本研究では、銅ナノ粒子のプラズモン吸収帯の励起によるナノ粒子近傍の局所的な高速加熱現象(金属ナノ粒子のナノヒーター効果)を明らかにし、これを銅ナノ粒子塗布膜に適用することによって、通常の電気炉加熱では酸化反応によって困難であった銅ナノ粒子の低抵抗メタル化とサブミクロン微細配線の直接描画を行うことを目的としている。銅ナノ粒子のナノヒーターとしての挙動は、粒径およびプラズモン共鳴スペクトルの特性、照射レーザー光の波長、強度等に依存する。また、レーザー光のスキャン速度は局所的な非平衡加熱冷却過程に顕著な影響を及ぼす。さらに、照射雰囲気の酸素濃度や、銅表面を修飾している有機基の化学構造も銅ナノ粒子の金属化に大きく効いてくる。これらパラメーターの影響を明らかにし、表面酸化のない低抵抗な金属銅連続相の形成を目指した研究を行った。今年度は、Arイオンレーザー光(488nm)を銅ナノ粒子分散薄膜へ照射して形成した微細配線パターンの導電率に及ぼすレーザー光走査速度の影響や照射雰囲気(空気下および窒素下)の影響の検討を行った。また、それら微細配線パターンの表面の化学構造を顕微ラマンスペクトルによって側手した。レーザー描画法によって形成した銅微細配線の導電率においては、レーザー走査速度の影響が顕著に現れた。高速なレーザー走査速度条件下において、低抵抗で表面酸化の少ない銅微細配線を形成できることが示された。顕微ラマンスペクトルの測定においては、低走査速度で観測された酸化銅および亜酸化銅が、走査速度の増加に伴い減少し、それが低抵抗化につながっていることが示された。
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