2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子-RNA複合体ナノワイヤの電子輸送機構の理論的解明
Project/Area Number |
19651065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西口 規彦 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (40175518)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / ナノワイヤー / 単電子トンネル / 温度依存性 / NEMS |
Research Abstract |
1. 平成20年度では、金のナノ粒子の熱フォノンが単電子トンネリングに及ぼす効果を、ナノ粒子1個からなる単電子トランジスタにおいて、理論的に明らかにした。 ナノ粒子からなるナノワイヤの電子輸送現象において、ワイヤーを構成するナノ粒子の熱フォノンによる動的な変化はナノワイヤの電気伝導特性に著しい効果を及ぼすことが懸念された。そこで、ナノワイヤの電気伝導特性を調べる前に、1個のナノ粒子からなる単電子トランジスタにおける熱フォノンの電子のトンネルへの影響を調べた。その結果、閾電圧近傍でTHzフォノンの放出と吸収による新たなチャンネルが電気伝導に寄与するが、その全電流への寄与が小さいことが分かった。一方、フォノン吸収を伴った単電子トンネル伝導によるナノ粒子内の冷却効果は認められなかったが、フォノン放出によるナノ粒子内の温度の増加は著しいものがあった。 2. ナノワイヤの電子輸送現象を、モンテカルロ法による数値シミュレーションに基づいて行っている。モデルを構築する上で、DNAの力学的性質を水分子が無い状態で検討した結果、エントロピー力に基づく復元力は適当ではなく、新たに力学的な復元力を仮定しなければならないことが判明した。モンテカルロシミュレーションを実施するに当たり、昨年確立したNose-Hoover力学を用いて、モデルを構築している。これにより、最終年度で本研究の目的を達成できると考える
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