2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一不純物原子が制御されたナノデバイス製造技術の開発
Project/Area Number |
19651066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
品田 賢宏 Waseda University, 付置研究所, 准教授 (30329099)
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Keywords | ナノエレクトロニクス / 半導体 / シリコン / 不純物ドーピング / 単一イオン注入法 / 不純物規則配列 |
Research Abstract |
半導体デバイスの電気的特性を制御するために、半導体中へ意図的に導入される不純物原子は、長年、均一に行われると考えられてきたが、ナノデバイスではこの仮定はもはや成立しない。不純物原子のランダムな分布故、デバイス毎に不純物原子個数および位置がゆらぎ、半導体デバイスの電気的特性がバラつく結果、ナノデバイス構造が形成されても動作しない可能性が極めて高い。本研究では、不純物原子の個数と位置制御によるゆらぎが抑制されたデバイス試作を通じて、理想的な不純物構造の発見と既存の半導体製造技術による実現方法の考案を目的としている。 テストデバイスの設計と試作 不純物原子の個数と位置が制御された半導体の電気的特性を評価するために、μmからサブ100nmの様々な寸法を有するテストデバイスを設計、試作した。単一イオン注入を妨げる上部ゲート電極に代わってチャネル電位を基板側から制御するためにSilicon on Insulator(SOI)基板を採用した。また、不純物原子1個の電気的特性への影響を高感度に検出するために、初期の不純物濃度は10^15cm^-3以下,の構造を実現した。良好なトランジスタ特性を確認している。 不純物注入位置制御用ナノホールアレイマスクの形成 既存の半導体製造技術による不純物原子位置制御の可能性を検証するために、Si抵抗体上にイオン注入窓となる規則的なナノスケールのホールを有するマスク形成を試みた。長さ1μm、幅1μmのSi抵抗体にポジ型レジストを塗布し、電子線リソグラフィーを用いて露光を行い、直径50nmの穴を100nmピッチで格子点状に形成した。この露光されたレジストをマスクにしてイオン注入を行うことで約50nmの精度でターゲットの基板に不純物原子を規則配列させることが可能となった。不純物原子数はポアソン分布に従ってゆらぐものの、位置制御によって電気特性改善が期待できる。
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