2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一不純物原子が制御されたナノデバイス製造技術の開発
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19651066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
品田 賢宏 Waseda University, 先端科学・健康医療融合研究機構, 准教授 (30329099)
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Keywords | ナノエレクトロニクス / 半導体 / シリコン / 不純物ドーピング / 単一イオン注入法 / 不純物規則配列 / 不純物ゆらぎ |
Research Abstract |
ナノデバイスでは、その電気的特性を制御するために導入される不純物原子の離散性が顕在化する。不純物原子の不規則な分布故、デバイス毎に不純物原子個数および位置がゆらぎ、半導体デバイスの電気的特性がバラつく結果、ナノデバイス構造が形成されても正常に動作しない可能性が高い。本研究では、不純物原子を1個ずつ注入可能な単一イオン注入法を用いて不純物原子配列方法が電気的特性に与える影響を系統的に調査すると共に、既存の半導体製造技術によって実現するプロセスを考案し、ナノデバイスで初めて顕在化する不純物ゆらぎという本質的問題の解決に現実的な道筋の呈示を試みた。 まず、不純物原子位置のデバイス特性への影響を調査するために、不純物分布を偏在させたSi抵抗体を試作した。チャネル中央に不純物分布を有する抵抗体では、ソースとドレインを入れ替えても特性は対称であったが、チャネル中央からソース側へ200nmの位置に不純物を配置した抵抗体では、ソースとドレインの入替によって特性が変化することが判明した。不純物原子がソース側よりドレイン側に偏在する方が、ドレイン電流が高くなることを見出した。ナノデバイスで顕在化する不純物原子の離散性とゆらぎの電気的特性への影響を初めて実験的に検証した成果である。 不純物原子の位置が制御された半導体デバイスをより現実的なものとするために、既存技術もしくは従来技術の延長線上にある技術によって不純物原子の空間制御を可能とするプロセスを開発した。シリコン抵抗体上に電子線リソグラフィーを用いて直径50nm、ピッチ100nmのイオン注入窓を有するマスクを形成し、約50nmの精度でシリコン抵抗体に不純物原子を規則配列させることが可能となった。不純物原子数はボアソン分布に従ってゆらぐものの、位置制御によって電気特性改善が期待できる成果である。
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Research Products
(5 results)