2007 Fiscal Year Annual Research Report
路線図の駅名を通して地形改変・社会と災害危険度を読み解く4次元ウエブGIS教材
Project/Area Number |
19651076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福和 伸夫 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (20238520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
護 雅史 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (40447842)
鈴木 康弘 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70222065)
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Keywords | GIS / 地形改変 / 災害危険度 / 震度 / 駅名 / 地名 / 地震被害 / 3大都市圏 |
Research Abstract |
本研究は、災害危険度の増大にもかかわらず住民の防災行動が進んでいない現状を抜本的に改善するため、戦前と現代との対比や地名・駅名と地形・地質との関係等をGIS上で示すことにより、身近な災害危険度を理解するという、新しい視点の防災教材を作ろうとするものである。平成19年度は、下記の通り、教材作成のための基本的なデータ収集と分析、プロトタイプWebGISの構築を実施した。 1)首都圏・京阪神圏・中京圏の3大都市圏を対象とする路線図の駅名と地形・地質図、土地利用図、ハザードマップ、過去の災害履歴、明治時代の迅速図、昭和初期と戦後の地形図等を電子化した。さらに、旧陸軍とGHQが撮影した空中写真をオルソ処理し、写真判読により各時期の標高データ、地質区分データを電子化した。また、これらの電子データをすべてGIS上で表示、対比できるようにした。現在は、これらのデータに加え、戦前、高度成長期、現在の建物・都市情報、過去の地震被害、名古屋市が予測済みの洪水ハザードマップなどに関するデータの電子化を進めている。また、blogを介して、一般市民からの地震経験談や過去の写真などの情報を収集する仕組み作りを始めている。 2)1)で収集した電子データを用いて、地形・地質と災害危険度の相関等から、旧地形と地名との関係、戦後の地形改変や都市拡大の実態を明らかにした。また、地名の持つ災害危険度の説明能力について分析し、過去の地名が多く残されている鉄道の駅名やバス停の名称、公園や小学校などの内、特に都市内に高密度に分布し親しみも大きい、駅名やバス停は、地形・地質との相関が比較的高く、身近な災害危険度を理解する上で、非常に有効であることを明らかにした。 3)Web上で、過去から現在までを連続的かつ立体的に見ることができる、いわば4次元Web-GISによる地図閲覧システムを開発している。
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