2007 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングデータを導入した斜面崩壊誘因広域逆推定システムの構築
Project/Area Number |
19651079
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小島 尚人 Tokyo University of Science, 理工学部土木工学科, 准教授 (00205387)
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Keywords | 土砂災害 / リモートセンシング / 情報システム / 逆推定問題 / インターネット / 斜面崩壊誘因 / 斜面崩壊形態 / 空間情報統合分析 |
Research Abstract |
平成19年度研究内容:斜面崩壊誘因逆推定モデルの構築と崩壊形態別誘因逆推定の可能性検討(1)対象領域と素因データの準備(1)対象領域:評価対象領域は新潟県中越地震で被害を受けた旧山古志村周辺とした。この地域は第三紀から第四紀の堆積岩が分布し、わが国有数の地すべり、斜面崩壊地帯である。地震発生前の台風による降雨で地下水位が上昇した影響により斜面崩壊が多発した領域でもある。 (2)素因データの準備:土地分類基本調査の成果図面を数値化した土地分類図(表層地質、土壌、地形分類)と、数値地形モデル(DTM:Digital Terrain Model)からコンピュータ処理によって作成される数値地理データ(標高区分、斜面方位、傾斜区分、起伏量、水系・谷密度)を入力データ(素因)として整備した。さらに、本研究では高分解能衛星データ(IKONOS等)を用いて植生指標を準備した。数値地形モデル、衛星データの検索・購入にあたって本申請の研費を使用した。 (2)検討ケース:本研究では、現地調査報告書(土木学会、国土地理院等)に基づき、「表層崩壊型、深層崩壊型、地すべり型」といった3種類のトレーニングデータ(判別基準)を設定した上で、斜面崩壊形態別誘因広域逆推定の可能性について検討した。 (3)検討結果:斜面崩壊形態別誘因影響図の提案 誘因情報(地震、降雨等)を観測困難な「潜在変数」とみなし、衛星データと各種地理情報(素因)を観測変数とし、崩壊発生地(判別基準)を判別基準とした上で、共分散構造分析法に言う「測定方程式」から誘因を画素単位で逆推定し、これを「誘因影響図」として提案した。さらに、斜面崩壊形態別に作成される誘因影響図の違いを抽出した「差画像」を最終成果図として提示し、斜面崩壊形態別・誘因影響の分析支援に役立つことを示した。次年度は、インターネット環境下で稼働するシステムの構築を予定している。
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