2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNAによる生活習慣病発症の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19651082
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 嘉 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80361351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭光 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70344893)
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Keywords | miRNA / 生活習慣病 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
欧米先進各国では、食生活の変化に伴う脂肪分摂取の増大などによる摂取カロリー過剰と運動不足などによる消費カロリーの低下から、エネルギー蓄積過剰の状態、つまり肥満とそれに基づくメタボリックシンドローム患者の増加が深刻な社会問題となっている。日本でも、食生活の欧米化に伴い欧米同様、生活習慣病患者が急速に増加している。生活習慣病の発症には摂取した食物、エネルギーの代謝異常がその原因のひとつである。エネルギー代謝に関わる酵素の遺伝子発現がその根本にある。そのため、本研究ではエネルギー代謝の破綻に導く新たな因子、エネルギー代謝を改善に導く新たな因子の同定と、それら因子から治療への応用を目指す。新たな因子として、遺伝子の発現を制御する新たな因子であるmicroRNAを標的に研究を行う。 病態マウスの脂肪組織で発現が変動するmiRNAの同定のため、miRNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、病態マウスでの発現が変動するmiRNAとして2つのmiRNAを同定した。それぞれのmiRNAの発現をリアルタイムPCRにより検討を行った。そのうちmiR335は病態マウヌの脂肪組織のみならず肝臓においてもその発現が変動した。さらに、脂肪細胞のモデル細胞である3T3-L1の脂肪細胞の分化過程でその発現も変動した。miR335が脂肪組織とそれ以外の組織において発現が変動することは、生活習慣病の発症への寄与が推測された。
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