2007 Fiscal Year Annual Research Report
チタニアカラムを用いたハイスループットホスホプロテオーム解析法の開発
Project/Area Number |
19651085
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀米 恒好 Niigata University, 自然科学系, 教授 (60053352)
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Keywords | ホスホプロラオーム / リン酸化ペプチド / チタニアカラム |
Research Abstract |
チタニアカラムを用いてリン酸化ペプチドを網羅的に精製し質量分析装置で分析するホスホプロテオーム解析法を確立し、これを実際にカエル卵のホスホプロテオーム解析に適用してその有用性を実証する目的で実験を行い、今年度は次のような結果を得た。 1.リン酸化ペプチドのチタニアカラムへの結合と解離の両方の速度が予想よりはるかに小さいことから、最適流速を再検討し、吸着時は0.1ml/min以下、溶離時は0.2ml/min以下が最適であることを明らかにした。 2.チタニアカラムから溶離したリン酸化ペプチドが濃い塩基性のリン酸緩衝液に溶けているため逆相HPLCカラムに吸着しないペプチドがあったが、このペプチドを溶離して逆相カラムに結合させた直後にギ酸水溶液を流して直ちに酸性にすることによって改善された。 3.微量のリン酸化ペプチドの非特異的吸着による消失を抑制するため、質量分析装置(MALDI-TOF MS)のサンプルプレートに少量のリン酸、ピロリン酸またはセリンを添加したところ、いずれも回収率の改善が見られた。そのため、腐食性のないセリンを添加することにした。 4.生体試料のトリプシン分解物に大量に含まれる非リン酸化ペプチドの一部がチタニアカラムに非特異的に吸着して混入してくるため、リン酸化ペプチドのイオン化が抑制されていた。そこで、チタニアカラムの非特異的な吸着を抑えるため、ポリスチレン系樹脂を用いた試料のプレクリーニングを行った。この処理により、非リン酸化ペプチドの混入は大幅に減少した。 5.これらの改良を加えた方法をカエル卵抽出液のトリプシン分解物からのリン酸化ペプチドの精製に適用した。その結果、288種類のリン酸化ペプチドを検出することができるようになり、精製度と検出できるリン酸化ペプチドの数が格段に改善された。
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