2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子機能解析を迅速化するための新しい両アレル変異導入法の開発
Project/Area Number |
19651086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (30333446)
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Keywords | バイオテクノロジー / ES細胞 / Bloom / 遺伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究では、国際プロジェクトとして急速に構築が進んでいる変異ES細胞バンクのリソースを効率的に利用して表現型解析を加速化するために、片アレル変異体から両アレル変異体を迅速に誘導する手法を開発する。具体的には、我々が以前に報告した「テトラサイクリンシステムによるBloom遺伝子の一過性発現低下に伴う両アレル変異体の誘導」をさらに発展させるものであり、テトラサイクリンシステムの代わりにRNAi法を用いてBloom遺伝子の発現を抑制することで、両アレル変異体を誘導する。これにより、Bloom遺伝子に対してテトラサイクリンシステム用の改変を加える必要が無くなるので、世界中の変異ES細胞のリソースに対して両アレル変異体の誘導法を適用できるようになり、表現型解析が加速化されると期待できる。 本年度は、Bloom遺伝子の発現を抑制するためのRNAiベクターを構築した。RNAi法による標的配列の選定においては、RNAの高次構造や熱力学的な安定性を考慮してデザインする必要があるため、Hannonらが開発したデータベースであるRNAi Codexを利用した。当初は、RNAi Codexに基づいて作製済みの、既に商品化された第2世代RNAiベクターをそのまま利用する予定であったが、我々は、RNAiの効果をより高めるためのレトロウイルスベクターを構築することに成功したので、その新規ベクターの骨格の中に、HannonらのRNAi標的配列を導入することにした。ベクターをES細胞へ導入して、Bloom遺伝子の発現抑制の効果の解析を進めている。
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