2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物のタンパク質分解系を応用した細胞内での条件特異的標的タンパク質分解技術の開発
Project/Area Number |
19651087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鐘巻 将人 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20444507)
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Keywords | 条件特異的変異体 / タンパク質分解 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
昨年度までは植物ホルモンオーキシンを用いた、出芽酵母レベルでのタンパク質発現調節法の確立、およびその方法を用いた条件特異的変異株作成をおこなった。そこで、本年度は本手法を動物培養細胞レベルにおいて機能させるための研究を遂行した。研究の過程で、この植物ホルモン分解系を利用したタンパク質発現制御は、出芽酵母において24度付近ではよく機能するが、37度では機能しないことが明らかになった。それまでの分解系に用いてきた植物ホルモン受容因子はシロイヌナズナ由来のものであるが、これをイネ由来のものに変更すると熱耐性が付与させることを見いだした。 この結果を受けて、改良をおこなったオーキシン分解システムを動物培養細胞に導入したところ、動物細胞内でオーキシン添加により、GFPが15分以内に分解除去できることが分かった。また、分解誘導後、オーキシンを培地から除去することで発現の回復もみられ、オーキシンの濃度依存的にGFP発現量のコントロールも可能であることが明らかになった。この結果はHeLa,HEK293,COS1,CHO,NIH3T3細胞などの多くの細胞種で確認されたことから、今後幅広い培養細胞種に応用されることが期待される。本手法をauxin inducible degron (AID)法と名付け、現在論文公表にむけた準備を進めるとともに、本手法の特許出願に向けて用意を進めている。
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Research Products
(3 results)