2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19651090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小鹿 一 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50152492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 裕一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (40332704)
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Keywords | ゲンジボタル / カワニナ / 忌避行動 / 誘引物質 / 共進化 |
Research Abstract |
ゲンジボタル幼虫に含まれるカワニナ忌避物質の解明については、カワニナの飼育法確立とゲンジボタル匂腺物質のキャラクタライズにおいて進展があった。 まず、カワニナの飼育法については、大量飼育をめざし120センチ水槽(200リットル)の設置を行った。カワニナは三重県多度山の河川で採集。500個体を飼育した。しかし、カワニナの餌の食べ残しやフンによる水質の悪化により長期大量飼育が容易でないことが明らかとなった。頻繁な水取り替えや濾過装置の強化などによりいくらかの改善を行った。 ゲンジボタルの幼虫に物理的刺激をくわえると、体表側面から油状の匂い物質を分泌する。この物質がカワニナ忌避物質の本体であるという仮説のもと、匂成分の回収と濃縮を試みた。水中から取り出したゲンジボタル幼虫の匂腺をキムワイプで拭い集めた。これを真空ポンプで減圧にしたところ速やかに揮発すすることがわかった。現在、GC-MSなどによる詳細な解析を検討中である。 ホタルの匂いを嗅いだ経験のないカワニナ稚貝がホタルを忌避することが観察された。また、ホタルが生息しないと思われる河川から採取したカワニナも、ホタルの匂いに対して忌避行動をすることが分かった。現在、こうした行動が遺伝的なものかどうかを検討している。 カワニナに含まれるゲンジボタル幼虫誘引物質の解明については、ゲンジボタル幼虫の大量飼育を検討したものの致死率が高く成果はあまり上がっていない。
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