2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高速電子環状反応を用いた生体分子の標識化と陽電子断層撮影への応用
Project/Area Number |
19651095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
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Keywords | イメージング / 陽電子断層撮影 / 標識化 / 蛍光標識 / 電子環状化 / 糖タンパク質 / 放射性標識 |
Research Abstract |
(1)ペプチド、機能性タンパク質、および抗体の短寿命放射線金属標識化によるPETおよびMRIイメージング法の開発:6π電子環状化反応を基盤とする放射性標識プローブを開発し、これを用いてソマトスタチンの68Ga標識体を作成した。これを用いたウサギの陽電子断層撮影(PET)イメージングに成功し、ソマトスタチン受容体が発現している膵臓に、標識化合物が集積することを観測した。糖タンパク質としてオロソムコイドの標識化を行い、シアル酸の有無で糖タンパク質の血中動態が大きく異なることを初めて可視化した。 (2)タンパク質の部位選択的蛍光標識法の開発:特定の受容体、酵素などの機能性タンパク質の部位特異的な蛍光標識を実現するために、トリエンアルデヒドプローブに蛍光基とタンパク質のリガンドを結合させたプローブ分子をデザイン、合成した。HAS(ヒト血清アルブミン)のリガンドであるクマリンとの複合体プローブを用い、HASとの反応を検討した。その結果、このプローブはまずHAS認識部位に認識された後、近傍のリジン残基のみを位置選択的に修飾した後、生成したジヒドロピリジン構造が酸化を受けてピリジニウム塩となると同時にエステルが切断され、リガンドであるクマリンがHASからはずれることを見出した。すなわちこの手法により、タンパク質の位置特異的修飾が可能になるだけでなく、修飾後にリガンドがタンパク質から切り離されるので、タンパク質の機能を保持することが可能である。
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Research Products
(9 results)