2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代のハンブルクにおけるカントルによる音楽の伝統継承と社会貢献に関する実態研究
Project/Area Number |
19652010
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
久保田 慶一 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (70170032)
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Keywords | ハンブルク / プロテスタント教会音楽 / カントル / 伝統継承 / 音楽家の社会貢献 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度同様に、ハンブルクの5人のカントルに対して、1)職務の内容、2)ゲマインデ(教区住民)との関係について、アンケート調査を実施した(8月)。1)に関しては、カントルの職務内容は、カントルが所属する教会の立地条件によって制限されていること、カントルの個人的な経歴よりも、ゲマンイデ(教区住民)が望む音楽活動を優先しなくてはならないことなどが、カントルによるアンケート記述から明らかになった。2)に関しては、カントルとゲマインデ(教区住民)との関係は5つの教会において良好であること、音楽の専門家としてのカントルの発言権が認められていること、しかし最終的には、ゲマインデの代表者と合議ですべてのことが決定されることが明らかになった。 また10月から11月にかけて、研究代表者(久保田慶一)とふたりの研究協力者(片野耕喜・山梨大学・教育人間科学部・准教授、久住庄一郎・千葉大学・教育学部)と現地調査を実施し、5人のカントルに対して、インタビュー調査を実施した。インタビューでは、アンケートの記述内容の確認のほか、カントルの職務を遂行するうえでの課題や問題を聞き取ることができた。
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