2007 Fiscal Year Annual Research Report
文禄・慶長の役(壬辰・丁酉倭乱)に関する比較文学的調査・研究
Project/Area Number |
19652032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
樋口 大祐 Kobe University, 人文学研究科, 准教授 (90324889)
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Keywords | 華夷恋態 / 明末清初 / 軍談小説 / 壬辰録 / 大航海時代 / 郭再祐 / 李舜臣 / 小西行長 |
Research Abstract |
今年度は国内では現代韓国語の読解能力および『朝鮮王朝実録』等の朝鮮史漢文史料の読解能力の向上に努力した。その結果、現代韓国語の学術論文についてはまずまず理解可能な水準にまで到達したと認識している。また、当該テーマに関連する日本語文献を収集・整理した。 2007年7月には中国寧波・上海、同8月には台湾・台北を訪問し、両地の公共文書館に所蔵されている関連文献を調査した。また、2008年3月、韓国晋州市および同市歴史博物館、さらに慶州市・釜山市を訪問し、当該研究テーマに関連する韓国語文献・図録等を収集した。続いて中国北京・大連を訪問し、当該研究テーマに関連する中国語文献を収集し、幾つかの論点を得ることが出来た。 当初予定していた韓国海洋大学校における調査研究は実現しなかったが、2008年秋には同校にて開催される国際会議に参加し、韓国の研究者と意見交換を行うことが既に決定している。 2008年3月発表の論文、および研究会発表では、日本の軍記文学における「英雄」とアジアヘの眼差しのあり方との関連性について言及した。これは今後展開する予定の、文禄慶長の役における朝鮮側・日本側双方の「英雄」に関する表象分析の作業に接続してゆくものである。 研究の一年目を終えて、当該研究テーマに関連する資料の豊富さ、射程距離の長さを改めて実感している。
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