2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19652041
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
有元 光彦 Yamaguchi University, 教育学部, 准教授 (90232074)
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Keywords | 国語学 / 言語学 / 認知科学 / エージェント / 社会学 |
Research Abstract |
今年度の成果は,(1)データ収集と分析,(2)データベース化,(3)シミュレーション研究に集約される。 まず(1)に関しては,熊本県葦北郡津奈木町,人吉市,球磨郡五木村,鹿児島県阿久根市,及び長崎県長崎市(茂木・三和町・野母崎町),西彼杵郡長与町へのフィールドワークによって,動詞テ形に起こる形態音韻現象のデータを収集した。今回は,当該の現象が起こる境界地域を探ることを目的とし,そこにどのような変種が存在するかを調査・記述した。ここでは,中間的な存在の変種を新たに発見することができた。 次に(2)に関しては,収集したデータを音声記号によって転写し,それを従来から構築しているデータベースに追加した。 次に(3)に関しては,(1)で収集した形態音韻現象を材料として,人工的な言語社会をシミュレートするための初期段階のプログラムを作成した。ここでは,形態音韻現象を初めとして,社会言語学的な現象を構成する諸因子を抽出し,それらをシミュレーション上に実装することによって,どのようなパラメータが構成論的に必要であるのか,優先順位はあるのか,階層性はあるのか,といった問題に解答を与える手がかりを整理することができた。
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Research Products
(2 results)