2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニューカマーに対する日本語教育保障法案の創出をめぐる言語教育学・公法学的研究
Project/Area Number |
19652050
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
新矢 麻紀子 Osaka Sangyo University, 教養部, 准教授 (70389203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泉 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (30210438)
春原 憲一郎 立教大学, 文学部, 特任教授 (40386488)
窪 誠 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (10319577)
岩槻 知也 京都女子大学, 発達教育学部, 准教授 (60263191)
佐藤 潤一 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (40411425)
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Keywords | 日本語教育保障法 / 外国人受入れ施策・政策 / 言語保障 / 多文化共生 / 人権 / 移民 / 統合 / 再生産 |
Research Abstract |
外国人生活者数が増加の一方を辿っているものの、未だ彼らに対する言語政策を有しない日本の状況を鑑みて、日本語教育学、社会教育学、公法学という異分野で「人権」を研究基軸として外国人関連課題の研究を行っていた応募者らが、2007年に本研究プロジェクトを立ち上げ、2年間の研究を実施してきた。 この2年間においては、主に、文献購読と1-2か月に1度の研究会を中心にした理論研究を行った。特に、今や日常語となりながら、未だその意味や適用が曖昧である「多文化共生」概念を理論的に再検討していった。また、当初の予定では、国内外における実態調査も実施する予定であったが、研究メンバー数(代表者・分担者・協力者あわせて15名)と予算の関係のため、少数地域に留まったが、国内では島根県での外国人受入れ施策と日本語教育実践の状況調査、海外では韓国での非識字者に対する識字教育の実践やサハリンからの永住帰国者の受入れ状況など、韓国におけるマイノリティ教育についての調査と、どちらもインテンシヴかつ有意義な調査が実施できた。 研究成果としては、それぞれの研究メンバーが各専門領域で研究論文の執筆等を行うと同時に、本研究グループとしては、上記研究に基づき、まず2008年に日本語教育学会でパネルディスカッションを開催した。そして当初から最大の目的あった、同化施策に陥ることのない「人権」と「社会参加」を保障する枠組法としての「日本語教育保障法案」創出を行ってきた。それを小冊子『日本語教育保障法案』として2009年3月の発行を目指したが間に合わなかったため、その小冊子と本研究の研究成果報告書を2009年5月に発行予定である。さらには、これらの研究成果を『日本語教育保障法案の創出』(仮題)として書籍にまとめて、ココ出版から2009年秋に発行することが決まっている。 このように本研究の目的がほぼ達成されたこと、そして何より、本研究成果が日本の言語政策策定に有効かつ重要だと考えられる指針を提供できたことが、本研究の成果であり、意義である。
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Research Products
(16 results)