2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19652063
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤原 哲也 University of Fukui, 医学部, 准教授 (30362338)
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Keywords | 障害者 / 戦傷者 / 日米関係史 / 第二次世界大戦 |
Research Abstract |
2008年8月障害の歴史研究会にて、「占領期における傷痍軍人への援護と実態」を口頭発表した。これまでこの時期の傷痍軍人については、どのような活動を行っていたのか不明な点が多かったが、収集した史料から、患者自治会などを通して傷痍軍人の活動の様子が分かった。また、占領下という規制の下、一般市民の傷痍軍人についての意見や証言から、当時の傷痍軍人の置かれた状況がある程度解明されたこと、特に国民が傷痍軍人の問題を戦後処理者問題として重要視していたことが明らかにされたことは意義深いと考えられる。 2009年3月中四国アメリカ学会第4号にて「第二次世界大戦期におけるアメリカ合衆国のリハビリテーション政策」を発表した。この論文において第二次世界大戦期のアメリカの傷痍軍人のリハビリテーションについて論じる。国策としての傷痍軍人対策がどのような背景で推し進められたのかという点についての解明ができた。傷痍軍人のリハビリテーションには職業復帰ということを含めて総合的な対策が立てられたことが分かった。また、傷痍軍人の雇用が、国威発揚や労働者不足の解消といった現実的問題の解消の手段として組み込まれたことが明らかにされたことは、障害者としての傷痍軍人の社会的地位を理解する上で重要であると考える。
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