2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカ環境管理行政における地理情報システム導入の影響分析
Project/Area Number |
19652072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 元 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (10241514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 義徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00272013)
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Keywords | 地理学 / 環境 / ケニア / 地理情報システム |
Research Abstract |
1 政府機関等の調査昨年度につづき, 3月期の現地調査において, ケニア政府の環境管理の現状を, 2007年に既存機関の改組を経て新設されたケニア森林公社(KFS)を事例として把握し, (1)首都ナイロビの本部では森林保護区境界のデータベース化を完了しつつあるものの, 一部を除いてGISが森林管理の現場に応用されるに至っていないことを見出し, (2)管理現場の一事例としてセントラル州ニェリ県の出先機関で資料収集を行い, GIS未導入を確認の後, 日常的管理業務の実態と, 2007年初頭に施行された新・森林法が規定する利用者参加型森林管理の実施状況, とくにコミュニティ森林組合の組織化について現状把握を行い, (3)行政改革を進めてきた政府機関の代わりに, 国際的支援を受けた教会NGOが森林利用者の組織化と管理能力構築において大きな役割を果たしつつあり, GIS導入の可能性もNGOとの関連で考えるべきことを見出した。 2 関連NGOの査察同じく3月期の調査において, セントラル州のニャンダルア県に位置するンダラグワ森林の利用者組織化に関与しているNGOを訪問し, 活動の概要と, とくに当NGOが行っている利用者の森林管理能力構築に関する訓練プログラムの基本的デザインについて把握した。そして, 森林利用者とNGOのインターフェイスの部分における森林管理GIS導入の必要性・可能性と導入に伴いうる各種の問題について検討を始めた。 3 研究成果の公表アジア経済研究所・「アフリカ農村の住民組織と市民社会」研究会の外部委員として, 昨年度の本萌芽研究の成果を踏まえ, ケニアおよび隣国タンザニアでの森林管理行政に関して別途行っている調査研究から得られた知見とともに, 「東アフリカ農村における森林資源管理と生計安全保障-タンザニアとケニアの参加型制度の事例分析」を執筆した(査読中)。
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Research Products
(2 results)