2008 Fiscal Year Annual Research Report
刑務所の自己改革システム構築のための比較法的・実証的研究
Project/Area Number |
19653007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土井 政和 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (30188841)
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Keywords | 刑事視察委員会 / 第三者機関 / 外部評価 / 刑務所の透明性 / 刑務所の自己改革 |
Research Abstract |
第一に、昨年に引き続き、日本において新設された刑事施設視察委員会に関する諸規定と運用状況について刑事視察委員会の報告書などをもとに分析を行った。これにより、刑事施設視察委員会の役割に関し、施設の協議機関あるいは諮問機関ではなく、評価機関あるいは監視機関としての性格を持たせることの意義が問われていることが明らかになった。 第二に、昨年に引き続き、申請者が刑事施設視察委員会委員であることを生かし、刑務所の自己改革に向けた取り組み状況を調査した。その中で、刑事施設視察委員会が独自にその意見書を公開しつつあること、また、新聞報道などを通じて、委員会の存在が国民に知られるようになり、評価機関あるいは監視機関としての性格も表れてきていることが明らかになった。そのことにより、施設もまた、自己改革の必要性を認識しつつある。 第三に、比較法的・実証的として、本年度は、ドイツを訪問し、刑事施設評議会の関係資料を収集した。とりわけ第三者機関、NPOなどの市民団体、市民ボランティアなどの活動と評議会の活動が、刑務所の自己改革にいかなる影響を与えているか、について現在検討している。また、韓国では、施設の達成目標の設定とその評価制度が機能しつつあり、刑務所の改善が進みつつあることを訪問調査によって知ることができた。
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