2007 Fiscal Year Annual Research Report
産業構造の変化に伴う戦略的な新産業予測に関する研究
Project/Area Number |
19653023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中沢 誠 Osaka University, 産業科学研究所, 特任助教 (10217698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30133929)
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Keywords | 新産業予測 / 知財マップ / 複雑系ネットワーク / 自然言語処理 / 企業 / 経営分析 |
Research Abstract |
本研究は、ネットワーク解析や自然言語処理といった数理学的手法を用いて新産業の創出あるいは予測を行うものである。本年度は主に、技術を「見える化」し、新産業を「予測」するためのツールとしての「知財マップ」作成ソフトウェアの開発を行った。具体的には、まず、オンライン特許検索システム「PATOLIS」を用いて、対象とする特許公開公報(の電子データ)を収集した後、当該特許公開公報の文章に形態素解析を施し、キーワードとなるべき名詞を抽出する。そして、請求項の同一文に出現するキーワードは共起しているものと捉え、対象となる特許公開公報の請求項に現れるすべてのキーワードを基底とする共起行列を作成する。続いて当該共起行列を対角化し、得られた2つの固有値に対する固有ベクトルをそれぞれx座標、y座標とする位置に、各キーワードを配置する。これにより、共起している(技術的な意味が近い)キーワードは二次元平面上の近い場所に集まるため、記載された技術を直観的(視覚的)に、かつこれまでより詳細に把握できるようになった。さらに、請求項だけではなく、特許公開公報における要約をも同時に解析可能なようにシステムを構築したことで、技術的な課題(目的)、例えば「小型化」や「高性能化」といった語も、当該二次元平面上に同時に配置し得る。これにより、自己の技術が、当初は想定していなかった課題を解決するために役立つという"気づき"を得ることが可能となった。この"気づき"が起点となり、自己の技術をどの方向に発展させていったら未踏の領域を開拓できるか、つまり新産業を創造できるかが明確になるため、今後「知財マップ」は新産業予測ツールとして大きく寄与することが期待される。
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Research Products
(2 results)