2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19653029
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
内田 浩史 Wakayama University, 経済学部, 准教授 (60294295)
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Keywords | 企業間信用 / 金融政策 / ミクロ的基礎 / 貸出技術 |
Research Abstract |
本年度はまず、昨年度に草稿としてまとめた展望論文をさらに発展させることから研究を開始した。同展望論文については、昨年度までにも既にある程度形を整えることが出来ていたが、さらに文献の検討を進めた結果、(1)企業間信用が用いられる理由、(2)企業間信用の取引条件、(3)企業間信用と実体経済・金融政策、という3つの観点から各論文を整理することによって、さらに包括的な整理を行うことが望ましいということがわかった。そこで本年度は、膨大な数の既存の実証研究を網羅的に読んで検討し、上記の3つの観点からほぼすべての研究を整理することが出来た。ただし、各論文の要約をもう一度確認し、体裁を整える必要があるため、最終的な完成には到っていない。しかし、一般的な展望論文のほぼ倍の分量の草稿が既に仕上がっており、来年度早々にこれを完成して発表したいと考えている。 また本年度は日本経済研究所の大企業パネルデータを購入し、企業間信用における売り手・買い手間リレーションシップの重要性を明らかにする実証分析を開始した。この分析は、取引関係の強さが企業間信用の決定メカニズムにどのような影響を与えているのかを実証約に明らかにするものである。ただし、データの購入時期を、最新年度のデータが利用できる時期(12月)まで延ばす必要があったため、本格的な分析には到っていない。来年度はこれまでに得られている試行的な結果を基にして実証論文を完成し、学術雑誌に投稿したい。
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