2007 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット調査による統計的マイノリティ研究-若年非正規雇用・無職を例に-
Project/Area Number |
19653044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太郎丸 博 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (60273570)
|
Keywords | 郵送調査 / インターネット調査 / 統計学 / 社会学 / 社会階層論 / 非正規雇用 / 性分業意識 / 社会移動論 |
Research Abstract |
別の研究プロジェクトで比較可能なインターネット調査で得たデータと郵送調査で得たデータを入手することができた。この2つの調査から得られたデータの分布を相互に比較検討した。まず、それぞれのデータで従業上の地位と性分業意識の関係を検討した。年齢、学歴、性別をコントロールして両者の関係をロジスティック回帰分析で推定した。一変数の分布に限ってみれば2種類の調査で分布が異なることがしばしばあったが、ロジスティック回帰分析の結果得られたパラメータの推定値の大きさがインターネット調査と郵送調査で有意に異なることはなかった。同様の検討を、学歴やコーホートをコントロールして出身階層と初職の関連についても検討したが、同じ結果が得られた。すなわち一変数の分布に関しては違いがみられたが、関連の強さに関しては郵送調査とインターネット調査で有意に異なることはなかった。このような検討に先だって、関連する別のデータも分析し、データの分布について検討したが、上記の分析の妥当性が確認された。また初職の継続率や友人数、世代間移動表の分析などを予備的に行ったが、まだ十分な成果は得られていない。 このような結果からは、インターネット調査は、性分業意識のような一変数の分布の推定には問題が多いが、二変数以上の変数の関連の推定に関しては、あまり問題ないことが示唆される。ただし、もっといろいろな変数について検討する必要があるので、今のところは暫定的な結果である。
|
Research Products
(7 results)