2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワーク視点に基づく重度精神障害者の地域生活支援のスキルに関する研究
Project/Area Number |
19653054
|
Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
三品 桂子 Hanazono University, 社会福祉学部, 教授 (50340469)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 まり 立命館大学, 産業社会福祉学部, 教授 (40309076)
佐藤 純 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学部, 准教授 (90445966)
杉原 努 佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (10340473)
|
Keywords | 重度精神障害 / 地域生活支援 / ソーシャルワーク / スキル / ACT / ストレングス / バーミンガム / インディアナ |
Research Abstract |
本年度は、文献研究とともに米国インディアナ州の3つのACTチームと日本のACT-K、ACT-おかやまにおいて同行訪問やミーティング場面での参与観察を行った。さらにACTとストレングスモデルの統合の可能性を探求するためカンザスで意見交換を行った。結果、ACTとストレングスモデルを統合することは可能であることがわかった。従来のACTは、利用者りストレス脆弱性に焦点を当てていたが、ストレングスに焦点を当てることによって、利用者が挑戦する方向を目指すことが可能にする。インディアナ州では、「弁証法的行動療法」や「疾患管理とリカバリ」など利用者が自らの課題に気づき、対処能力を高める心理会社的アプローチのスキルが盛んに用いられていた。これらの基本の理論は認知行動治療であり、マニュアルに沿って訪問場面でソーシャルワーカーが実践していた。これらは英国や日本では見いだされなかったスキルである。 日本のACTチームで働いている援助者に対して予備調査を行ったところ、職種にかかわらず心理会社のアプローチのスキルに関しては、知識も含めて乏しいことが明らかになり、日本の援助者がスキルに関する知識を習得実践ができるようななることが喫緊の課題であり、本研究の重要性が改めて明らかになった。 さらにインディアナ州と英国のチームリーダーにインタビューを行い、ACTチームを立ち上げる際の留意点とチーム作り、スキルに関して聴取した。スタッフが対等で自由に意見を述べることができるopen meetingのスキルが重要であり、チームは活動を開始する前に、そのスキルを獲得するための訓練時間が必要であることが明らかになった。 次年度は、インディアナ州のソーシャルワーカーが駆使するスキルをさらに分析し、スキルの体系化を図る。
|