2007 Fiscal Year Annual Research Report
法的プロセスに及ぼす認知的・動機的要因の影響-理論的・実証的研究
Project/Area Number |
19653061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
唐沢 穣 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (90261031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 郁夫 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (90162859)
山本 顯治 神戸大学, 法学研究科, 教授 (50222378)
藤井 聡 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80252469)
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Keywords | 法と心理 / 社会系心理学 / 紛争解決 / 原因帰属 / 意図と責任 / 社会的ジレンマ / 法社会学 |
Research Abstract |
1.心理学と法律学を包摂する問題領域として、社会的ディレンマの観点から紛争過程の分析とその解決方法を模索するための理論的作業を行なった。特に法的サンクションの持つ心理的効果の種々について分析し、社会的規範の持つ非帰結主義的観点の是非を議論した。さらに法的制裁と非・法的制裁との関係についても理論的考察を行なった。 2.行為の意図とその責任に関する認知の成立過程を明らかにするための社会心理学的実験研究を行なった。特に、個人の行為と集団の行為の比較を通して、集団実体性や意思決定機関の存在が責任判断に及ぼす影響について新しい知見を得た。また、意図性認知の分析ツールとなるコーディング・スキームを開発し、その妥当性を実験によって確認した。 3.責任の判断と言語表現との関連を社会心理学的実験によって調べた。また二者間の会話内容の分析からステレオタイプ的判断の影響を調べ、言語的アプローチの有用性を示した。 4.消費者行動、特に投資行動に関わる消費者の認知バイアスに関する考察をもとに、取引をめぐる紛争の事例について分析と論考を行なった。プロスペクト理論の応用可能性とその意義に焦点を当てた分析を中心に考察した。裁判員制度と一般人の持つ認知過程との関連について、模擬裁判の実例などを基に考察した。また、判断バイアスの持つ法的なインプリケーションの全般について考えるために、海外から講師を招いて講演会を行なった。 5.定期的な研究会の実施により、意見交換と将来の研究計画の立案を行なった。また、本年度の研究成果は第7回アジア社会心理学会大会など数多くの国際的な会議で報告され、反響を呼んでいる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Acceptance of road pricing2008
Author(s)
Garling, T., Jakobsson, C. Loukopoulos, P., and Fujii, S.
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Journal Title
In Erik Verhoef, Michiel Bliemer, Linda Steg, and Bertvan Wee (Eds.) Pricing in Road Transport: A multi-disciplinary perspective, UK: Edward Elgar Publishing
Pages: 193-208.
Peer Reviewed
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