2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童における母語としての日本語習得を促進する第二言語(外国語)学習法の開発
Project/Area Number |
19653069
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松見 法男 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (40263652)
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Keywords | 第二言語学習 / 母語慴習得 / 児童 / シャドーイング / 日本語と英語 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本語を母語とする児童が第二言語(外国語)として英語を学習するときの認知メカニズムを解明し,その成果をふまえて,英語だけでなく日本語の習得も促進する英語の学習法を開発することである。 この目的に沿って本年度は,観察1と調査1, 2を行った。観察1では,新学習指導要領における高学年児童の外国語活動を促進する条件を探るため,小学5年生の英語の授業分析を行った。授業では,実演やパソコン画面の提示など,児童の興味がゲーム感覚で持続する工夫が施されていたが,45分の中で,児童が全体練習を含めて定型文を発話している総時間は,平均5分以下であることが明らかとなった。「授業の楽しさ」に加えて「英語運用の楽しさ」も体感できるように,個別・小集団形式で短時間集中型の日本語-英語シャドーイングを複数回導入し,日本語の意味情報を伴った英語の音韻情報を定着させることが重要だと言える。また,国語の授業で並行実施された日本語文章シャドーイングは,日本語の聴解を促進するだけでなく,英語リピーティング場面での正確性と集中力を高めることが示唆された。調査1では,小学生の時に英語のシャドーイング実験に参加した中学1年生を対象に,面接形式で,現在の英語学習に関する意識を調べた。シャドーイングが英語音声面の知識獲得に役立つ一方で,教師による日本語での英語構文の説明が小学校段階から求められていることが分かった。調査2では,児童への英語指導経験をもち,中・高等学校の教員免許を有する英語教師を対象に,冊子への記入形式で,小学校の英語学習に関する意識を調べた。英語習熟度の上昇に伴う日本語習熟度の上昇の可能性や,英語学習過程で日本語習熟度の上昇が期待できる指導法の試行,さらには教師が日本語と英語の違いを説明することの必要性などについて,積極的評定がみられた。「英語で考える力」の育成には消極的評定がみられた。
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