2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19653075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大平 英樹 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (90221837)
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Keywords | サイコパシー / 意思決定 / 感情 / 生理的反応 |
Research Abstract |
サイコパシーは,犯罪リスクの高い異常な性格特性であると考えられているが,一般人口中にもサイコパシー傾向を有する個人は一定割合存在する。本年度は,この傾向を測定するための尺度の日本語版を開発し,その妥当性と信頼性を確認して論文として公刊した(パーソナリティ研究)。 また,サイコパシー傾向に関連する生理的反応の特性として,感情的刺激に対して覚醒反応を示さないということがあげられる。この現象に関する基礎的データを論文として公刊した(Personality and Individual Differences)。 本研究では,サイコパシー傾向と意思決定の合理性の関連を検討するために,最後通牒ゲームという行動経済学的な意思決定課題を使用するが,今年度は,その基礎的検討を行った。その結果,サイコパシー傾向の高い個人は,不公正な提案であっても感情的反応を示さず,その提案を受諾する可能性が高いことが明らかになった。これは,たとえ少なくとも自己の利益が獲得できればよいという,サイコパシーの利己的な特性のためと考えられた。この成果を,アメリカにおける学会にて発表した(Meeting of Society for Psychophysiological Research)。
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Research Products
(3 results)