2008 Fiscal Year Annual Research Report
医学教育従事者の専門職研修に関する成人教育学的実践研究-教育学専攻者を中心に-
Project/Area Number |
19653089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 洋子 Kyoto University, 教育学研究科, 准教授 (70222411)
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Keywords | 医学(臨床)教育 / 成人教育 / 専門職教育 / 教育者研修 / 生涯学習 / 医療人育成 / ワークベイストラーニング / 職業教育 |
Research Abstract |
本研究は、欧米の医学教育の現場スタッフの中で、少数だが存在する非医療系教育学専攻者の実態や背景について、実地の現場見学、当事者や関係者のインタビュー等を通して考察するものである。日本の医学教育界では欧米の成人教育学的な考え方を本格的に導入しているが、主に医師自身が担うため、さらなる多忙化が問題である。欧米では非医療系の教育学専攻者が医学教育の現場で専門性を発揮する余地がある点が示唆的であり、注目される。本研究は、生涯教育学の医学教育への貢献可能性をも考察するため、医学教育と成人教育との連携に先進性をもつ英国を主対象としてきた。本年度の研究活動は主に、(1)ロンドンを拠点に第一回(2008年4月)と第二回(2009年3月)の非医療系教育学専攻者(non-medic educationalist)の実態調査、(2)「国際シンポジウム」の企画・運営、報告書の作成、(3)日本医学教育学会マスター検討委員会での議論や「医療と教育を考える勉強会」(京都大学医学教育推進センター平出敦教授と主宰)での情報収集や研究交流を行った。(1)では、非医療系教育学専攻の医学教育従事者への聞き取り調査、非医療系教育学専攻の医学教育従事者による医療者研修の参与観察、医学教育への多様な取り組みに携わる非医療系スタッフの聞き取り調査などを行った。(2)ではロンドン大学教育研究所とロンドン厚生局から二人の講師の来日を得て、2008年11月13日、日英国際シンポジウム「卒後医学教育の新たな発展に向けて-Work-based Learningからのチャレンジ-」(同センター主催、於・京都大学)を実施した。(3)では医学教育専門家の養成問題、現場の課題についての意見交換や問題意識の共有化、研究交流などを行った。
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