Research Abstract |
本年度は,以下の研究活動を実施した. (1)先行研究の収集:「保育者の専門性」「協同的な活動」「研究方法」の3点に関する先行研究について,和雑誌・洋雑誌ともに,直近10年間の文献を収集した.現在,その分析を行っている. (2)協同的な活動の概念の明確化とフィールドワーク:協同的な活動の概念については,『幼児期から児童期への教育』に基づきながら,「協同での遊び」を研究対象とした.その上で,2007年11月〜2008年3月の間,3,4,5歳児の協同遊びを支える保育者の言動注目しながら,定期的にフィールドワークを実施した.観察データは,ビデオカメラを用いて収集した. (3)研究会の実施:本年度は,計3回の研究会を実施した.第一回は,明星大学にて,4名の保育実践者を招聘し,協同遊びを支える保育者の専門性について,専門的知識の提供を受けた(2007.12.25).第二回は,広島大学附属幼稚園にて,4名の保育実践者に協力いただき,撮影したビデオデータに関する解釈や,専門的知識の提供を受けた(2008.1.31).第三回は,広島大学にて,門田理世氏(西南学院大学准教授)を招聘し,Visual&Multi-vocal Ethnography とともに,本研究に対する指導・助言を頂いた(2008.2.29) 以上の実績を踏まえ,次年度は,以下の点を検討する. (1)「保育者の専門性に関する研究の動向と課題」という観点から,先行研究をレビューする. (2)研究方法を検討し,保育者の専門性を探り出す一助としてのエスノグラフィーの可能性について論しる. (3)ビデオクリップの作成と上映を通して,保育者の声を収集する. (4)研究会,学会等で発表し,指導・助言を受ける.
|