2008 Fiscal Year Annual Research Report
文化の多様性にひらかれた大学教師とその授業に関する研究:日米の日本語教育
Project/Area Number |
19653100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
倉地 暁美 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (00197922)
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Keywords | 教育学 / 国際貢献 / 国際理解 / 外国語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の教育現場が、多文化教育や民族・人種問題の経験の豊かな米国の高等教育における取り組むから、学べるものがあるのか否か、あるとすればそれは何なのか、文化の多様性に対応できる人材育成・教員育成はいつどこでどのように行われるべきかを明らかにするもとである。 とりわけ、本研究では特に多文化的な感受性を有し、静態的な文化の捉え方に対してクリティカルな視点を身につけている極めて少数の大学教員を文献などから抽出し、彼らの文化に対する態度がいつ、どこで、何を契機に形成されたものなのかをエスノグラフィック・インタビューの手法で解明することを目的としている。 2008年度に関しては、研究代表者の倉地(サバティカル制度により1年間アメリカに滞在)と研究協力者(海外共同研究者)の久保田はアメリカの大学で日本語教育に従事する大学教員が執筆した論文・著書、学会発表などから研究対象者を抽出した。研究力者の久保田が、年度内にアメリカからカナダの大学に転出したため、研究計画を変更し、研究対象者へのインタビューは、研究代表者の倉地が単独で実施することになつた。またアメリカ国内で研究協力者を探し、理解・協力を得なければならなかった。 また研究代表者の1年間の研究機関となったコロンビア大学では、外部者が研究代表者となり、大学教員と学生を対象とした査研究についての許可を得るのは至難の業で、研究資格を得るための研究の倫埋規定などについての知識を間うテスト準備や申請の承認などに長い時間を要し、なかなかデータを開始することができなった。当初は長期的に室で参与観察を行い、VTR, MDで音声・画像収集するつもりであったが、結局当該大学の許可を得ることができなかった。 上記のような想定の出来事によって、研究計画に大幅に変更を加えなければならず、2009年の後半も引き続きデータ収集を継続しなければならない状況になり、授業中の教師の発話や学生とのやりとりを分析するという当初の計画を変更し、協力校で学生への質問紙調査を実施し、日本語教師が置かれている教室環境の実態を把握することに力点を置くことになった。
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