2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小磯 憲史 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (70116028)
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Keywords | 波動方程式 / プレート方程式 / 弾性曲線 |
Research Abstract |
研究の最終的な目標は,CaflishとMaddocksによる平面上の1次元弾性体の運動方程式の解の存在定理を一般のRiemann多様体Mに拡張することにある. 一般のRiemann多様体における弾性体の運動方程式は次のTeXの式で与えられる. $-\DD_t\gm_t+\DD_x\DD_t^2\gm_x+R(\gm_x,\DD_t\gm_x)\gm_t-\DD_x^3\gm_x-R(\gm_x,\DD_x\gm_x)\gm_x=\DD_x(u\gm_x)$ただし,$\DD$は共変微分$\nabla$, $\gm$ は曲線 $\gamma(x, t)$をあらわす. 初年度においては左不変なRiemann計量を持つLie群Gにおいて拡張を試みたが,微分の非可換性に起因して積分方程式に帰着することができなかった.そこで,Lie群Gを両側不変なRiemann計量をもつ場合に限定して研究をすすめた.CaflishとMaddocksによる解法の1つの鍵が,上の方程式を積分して$u\gm_x$をあらわにし,両辺の$\gm_x$への直交成分をとることによってLagrangeの未定関数$u=u(x,t)$を消去することにある. 一般のLie群においては微分の非線型性によって単純に積分することはできないが,両側不変な場合は$\DD_x(u\gm_x)$をLie環に値をもつものとみなして計算すると,単純な係数の微分に帰着されることが明らかになった. これによって問題解決への手がかりが得られた.
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