2008 Fiscal Year Annual Research Report
Translation surfacesのモジュライ空間の位相幾何学
Project/Area Number |
19654009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大鹿 健一 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (70183225)
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Keywords | Translation surface / モジュライ空間 / stratification |
Research Abstract |
Kontsevich-Zorichによって考えられた,translation surfacesのmoduli空間のstratificationの構造を双曲幾何を用いて解釈し直す研究を開始した.この研究はまだ未完成であり,途中経過であるが,現時点で以下のようなことが明らかになった. まずstratumの次元が減る原因となるsaddle connectionの現象をmeasured foliationではなく,measured laminationの空間で考えた.するとこれはThurstonにより提唱された,rational depthの概念と結びついていることが明らかになった.これにともない,Thurstonの未出版のlecture notes以降に取り上げられることのなかった,Rational depthの概念の有効性が認識され,たとえばGabaiによって証明されたendingl amination spaceの連結性もrational depthを使えば,ごく簡単に証明できることがわかった. Rational depthはtrain trackを使ってmeasured lamination spaceの局所座標を与えるとweightの言葉で簡単に言い表せる.これを使い,moduliのstratificationの局所表示が得られる.Train track間の座標変換(これはsplit sequenceを使い表示できる)により,大域的なstratificationの構造をrational depthの視点から解明するのが次の目標である.
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Research Products
(3 results)