2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大津 幸男 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (80233170)
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Keywords | アレクサンドロフ空間 / 統計力学 / ラプラシアン |
Research Abstract |
コンパクトアレクサンドルフ空間の(点の数Mを固定した)有限個の点をランダムに取り、これをランダムネットといい、ある。相互作用距離より近いネットの頂点を結んだグラフのラプラシアンを適当にスケール変換しものを離散ラプラシアンという。このようなランダムネットのラプラシアンから、相互作用をもたない1粒子理想気体の平衡統計力学を構成し、その自由エネルギーを決定した。次に同じ次元の異なる二つの空間とそのネットを固定し、そのラプラシアンをM次元ゴークリッド空間の作用素と考えることで、二つのラプラシアンの線形結合を考えた。その変形に関する自由エネルギーのスペクトルに関する表示の二階変分を考察し、凸であることを示した。特に、体積一定の条件のもと、強凸になることを示した。これを用いて同じ次元の一定体積のコンパクトアレクサンドロフ空間とそのネット全体のリーマン計量を構成した。そして、ネットを取り替えて値を最小化し、Mを無限に取り、相互作用距離を0に収束させることで、ネットを忘れた空間に、無限次元リーマン計量を構成することを試みた。次にその計量とグロモフーハウスドルフ距離との関係を検討し、その計量から導かれる二つの空間の距離の、微少距離、正確には作用を用いた明示的な公式を与え、ある種の一般化であることを示した。
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Research Products
(1 results)