2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 道夫 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹広 真一 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (30274426)
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Keywords | 乱流シェルモデル / 不安定周期軌道 / 軌道平均値 / リヤプノフ解析 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続き,カオス系において不安定周期軌道の数値的検出を実行し,得られた周期軌道に沿う諸量の軌道平均値を求めそれらの統計的性質を調べた.これまでいくつかの微分方程式系のカオスにおいて,同じ程度の大きさの周期をもつ不安定周期軌道に沿う軌道平均値の統計分布は,軌道周期を大きくしてもほとんど変化しないという結果を見出していたが,この性質を確認する計算を行った.さらに,これらの数値データを整理することによって,種々の量の軌道平均値同士の間に線形関係が成り立つことを数値的に見出した.この線形関係は多くの量の間に成り立つが,これは,不安定周期解の空間的配置について,周期軌道の近傍に相対的に長い周期を持つ周期軌道軌道が位置するという入れ子的構造を想定することで説明できることを見出し,いくつかのカオス系でそのような構造を示唆する数値結果を得てその性質を調べている.この線形関係は周期軌道の入れ子的構造を支持するものであるが,ここではさらに直接的に,数多くの周期軌道の数値的情報を利用し,それらの相空間における幾何学的配置を詳細に見ることでこの構造を調べる研究を行っており,次年度に継続する予定である.また,カオス系における共変リヤプノフ解析をシェルモデル乱流系に用いて,波数空間における乱流構造と安定多様体・不安定多様体の配置構造の間の関係,特に乱れの間欠性の波数依存性と双曲/非双曲構造の関係を中心に数値解析を実行しておりこれも次年度に継続する予定である.
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