2007 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムシュレーディンガー作用素のランダム行列の手法による研究
Project/Area Number |
19654020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小谷 眞一 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
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Keywords | ランダムシュレーディンガー作用素 / クレイン理論 / スペクトル |
Research Abstract |
最近、笠原-渡辺により、1次元拡散過程の加法的汎関数の中心極限定理に相当する極限定理の証明において、このクレインの理論の境界が特異な場合への拡張が必要とされた。これを動機として、過去の研究成果を見直した結果、スペクトル測度がべき型の増大度を持つための必要十分条件を質量分布関数の左端でのある種の可積分性の条件で述べること、及び質量分布関数が左端で緩い特異性をもつ場合にスペクトル測度と質量分布関数との対応の連続性を示すことに成功した。この連続性は左端が正則な場合には笠原により得られており、この緩やかな特異な場合には、特異性についてのある種のタイトネスが必要であることを指摘したところが新しい結果である。 ランダムシュレーディンガー作用素を有限区間に制限し、適当な境界条件をつけたときの固有値の、区間を無限に広げたときの極限定理についてポテンシャルが加法過程の微分のときに新しい結果をえた。これは博士課程の学生との共同研究である。これについては1980年代にMolchanov等による選考結果があるが、その証明には重大な誤りがあることをこの学生が示した。現在固有値の結合分布についての極限定理を研究している。
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